⇔光る輪に揺れつ流れつ車椅子聖樹眩しく身を反らせけり ・脚縛る裾に春待つ緋のサテン ⇔緋のサテン固定の脚にベルト軋み春呼ぶごとく裾にからむや ・空きし手の触れてこぐ輪に冬ひかる ⇔ひたすらに踊りつ組手あずけしや空手こぎつつ冬輪ひからす ・手鏡に指で紅曳く出番冬 ⇔冬出番曇る手鏡拭く指で紅曳く人の車椅子笑む ・輪を押して濃きマニュキュアの指凍てぬ ⇔マニュキュアの濃き指灯し凍てにけり つとに押す輪を床に映しぬ
⇔決っしたる眉濃き貌に血潮浮かせ 車輪滑らす寒の黙かな ・座してなおショールに赤きペンダント ⇔腰に巻くショールに赤きペンダント 照れて揺らすも座して乱さず ・クリスマス座す踊子の足細き ⇔腕太く動かぬ足の細かりきクリスマス座す踊子ぞ憂し ・舞ひおさめ誇りし寒の汗拭ふ ⇔寒の汗拭うハンカチ広げながら誇る自信のみなぎりており ・座す二人踊りを囃せ冬館 ⇔二人の手座して愛こぐ冬館囃す拍手の暖かきかな